VRM5テクニックE:橋上駅舎の話

VRMマニュアルを補完するということで、まずはわかりにくい橋上駅舎について部品の解説などを行っていきたいと思います。

用意するもの
・VRMの本体(当然)
・橋上駅舎(0号or2号or6号)
最低限これだけです。もちろん駅に設置する場合には線路とホームが必要ですが。

・使用方法…橋上駅舎(660pt)
それではまず、0号収録の橋上駅舎です、ONLINEでは660ptで、安価な部品です。

地上階段2
増設
本体
踊り場
通路120mm
通路60mm
通路30mm
連絡階段

と、あります。なぜ地上階段1が無いのかというのはよくわかりません。
本体と増設の2部品はジョイント間は102mm これはIMAGIC規格の3線分の幅で、ちょうど島式ホームと2線ほどの長さです。本体と増設の違いは、下の画像をご覧ください。

このように、本体にはホームに降りる階段があり、かつ支柱がホームの高さにしかありません。一方、増設はホームに降りる階段が無く、線路高さまで支柱が伸びています。本体はそのままホームで、増設は線路上での使用を念頭に置いている…と思ったのですが、先述のようにこの駅舎の幅は102mm、そしてその中間部分に支柱があるので、三線の上部にそのまま配置すると線路上に柱が突き刺さってしまいます。一方、柱が太すぎて複線線路の間にも配置することも厳しいようです。
増設部品は、島式ホーム配置の線路幅にあうように設計されているのでしょうか。


地上階段2と連絡階段はそれぞれ、地上とホームの高さに向けて階段があります。また、通路部品はポリゴンの貼ってない面があります。本体部品を含めたその他の部品にはきちんとポリゴンが貼ってあり、見栄えは悪くなるものの単体で使用することが出来ます。

ここで、この橋上駅舎ですが、本来の使い方としてはなかなか使いにくいものです。例えば、通路の長さが30mm、60mm、120mmという点で、IMAGIC規格の複線間隔は34mm、つまり4mm足りません。そのため、複雑なホーム配置ではうまく設置できないようです。例えば、島式ホーム2つの間に通過線が2つある、2面6線の駅の場合、本体を島式部分に設置し、間を通路で結ぼうとすると60mmでは足りません。ここでは本来68mmが必要ですが、部品が無いので120mmで代用する必要があります。

一方本来の使い方ではない、イレギュラーな使い方ではそれなりに活路を見出すことが出来ます。他の橋上駅舎と同様ですが、跨線橋に活用することもできます。
橋上駅舎は-60mmほどでうまい具合に埋まるようになります。例えば本体を埋めて体育館のような建物にもなりますし、踊り場を埋めて小さい建物にもなります。

このように、踊り場を-60mmにして交番02を配置することで交番のような建物になります。

・使用方法…TOMIXニュー橋上駅舎(パワードバイトミックスセット 9350pt)
それでは次に、2号収録、TOMIXニュー橋上駅舎を見ていこうと思います。ONLINEでは版権の都合か、単品販売はなく、パワードバイトミックスセットに収録されています。ちなみに後述のTOMIX橋上駅舎(近代型)も収録されています。
さて、部品を見てみると
本体
踊り場
通路
階段
と、非常に部品が少ないです。まあ、模型からトレースしているので仕方ないと言えば仕方ないのですが。

そしてこの部品群、このように本体が特殊な形状をしています。画像左側にはジョイントがありますが、それ以外にはジョイントがありません。そして、ホームへ降りる階段はこの本体にしかついていないので、必然的に島式ホームが1つの駅しか使えません。
ですが、階段、踊り場、通路は他の橋上駅舎と異なり唯一屋根が無いので、跨線橋など別の通路として使うことが出来ます。いや、むしろそちらの方が本来の使い方よりも使いやすいと思います。
例えばうつみ氏制作の内海市では駅前のデッキの階段で使用しています

この画像ではわかりにくいと思いますが、階段の上部、ここには必ず踊り場を設置しなければならないようです。通路も接続できるように見えますが、部品の隙間が見えてしまいます。見栄えを気にするのでは防音壁などを埋めて対処しなければいけません。

・使用方法…TOMIX橋上駅舎(近代型)(パワードバイトミックスセット 9350pt)
こちらは近代型のTOMIX橋上駅舎です。上記のニュー橋上駅舎と異なり、ホームが増えても対応できます。
なんとまあ、部品はたったの3種類。実物も3パーツしかありません。
本体
通路
階段
これだけのさっぱりした内容です。1つの本体に、島式ホームと線路2本が相当します。
本体を埋めて使う場合、-55mm程でちょうどいい感じになります。重ね合わせは30mmで、普通の駅舎やバスセンターにも使えるような形状なので便利です。ただ、左右の通路接続部分、テクスチャーはあるものの変な形になってしまうので気になる場合はうまく組み合わせて隠すのが良いでしょう。

個人的には、通路を埋めて公衆トイレのような感じにするのが好きです。

・使用方法…橋上駅舎2(660pt)
さて、最後に残った大物の橋上駅舎2を見てみましょう。VRM3橋上駅舎の移植部品で、大幅に改良がされ、部品も橋上駅舎とは比べ物にならないほど多く、本体だけで01から12まで、通路は2種類、階段が4種類あります。
順番に見ていきましょう。

本体の番号、01から12までは、レイアウターで見てみると、01から06と07から12までは幅が違うだけで、また01と02、03と04…と、2つセットで同じ大きさになっています。さらに、ディテールも見ていくと…



こうなっています。このように、偶数番号は全面ガラス張り、03 09は階段部分のみ 01 07は階段付近は全面ガラス張り、 05と11は階段が無く通路然としています。
分かりにくいと思いますが、偶数タイプは、その番号の1つ前のパーツの形状で、全面ガラス張りになっています。

窓の形状 駅舎幅 ジョイント間長さ
橋上駅舎01 階段付近 130mm 120mm
橋上駅舎02 全面ガラス 130mm 120mm
橋上駅舎03 階段部分 130mm 102mm
橋上駅舎04 全面ガラス 130mm 102mm
橋上駅舎05 通路窓 130mm 68mm
橋上駅舎06 全面ガラス 130mm 68mm
橋上駅舎07 階段付近 192mm 120mm
橋上駅舎08 全面ガラス 192mm 120mm
橋上駅舎09 階段部分 192mm 102mm
橋上駅舎10 全面ガラス 192mm 102mm
橋上駅舎11 通路窓 192mm 68mm
橋上駅舎12 全面ガラス 192mm 68mm



こんな感じです。、このジョイント間長さは、03 04 09 10が島式ホーム1本と線路2線分、05 06 11 12は線路2線分、01 02 07 08は島式ホーム1本と線路2.5線分の長さです。中途半端な長さながら、180度回転させて接続するとホームと線路の間に3本線路がある状況に対応できるようになっています。

作例の画像のようにホームとホームの間に4線ある場合は本体04と06と04 3線の場合は02を反転して使用、2線の場合は04を2つ使うということになります。奇数線ある場合は02と06を組み合わせ、偶数線あるならば04と06を組み合わせて使う…というわけです。

全面ガラス張りの部品だけを使う、もしくは逆に階段部分のみガラス張りの部品をどちらかに統一して使うことで、橋上駅舎としての見栄えがよくなります。

次いで通路と階段部品。通路は2種類あり、細いものと太いものがあります。階段部品は4種類あり、

このようになっています。見切れているものもありますが…
階段01と03 一見すると同じように見えますが太さが異なります。この階段部品は屋根があるので橋上駅舎以外の目的にはなかなか使いにくいものです。
これらを組み合わせてみると、こうなります。
車両はmoko氏作ゆきもよ氏アレンジの自作車両、西武101系 私鉄らしくなりますね。
こちらの駅では橋上駅舎2の04番を2つ利用しています。手前には階段1、奥には階段3を配置しています。駅自体がカーブしているので本来の使い方では駅舎がいろいろと不都合を起こすので、階段を本体に比べて若干斜めにするなど改良をしています。

ここまでお読みいただきましてありがとうございました。VRMマニュアル補完計画、どこまで進むかなあ

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